これは発見でした
おぼえている手帳については、ずっと確信を持ってやってきていました。「これは、自分の家族だけではなく、他の認知症の人にもきっと効果があり、再現性があるんだ」。
日々のことを写真にとり、同時にご本人の直筆で、どんな経験があったのかを書いてもらう。またご本人が記憶がない場合は周囲のご家族や、施設スタッフの人が教えてあげて書いてもらう。
この繰り返しをすることで、記録が記憶の代わりになり、本人が連続する時間の中で生きていることを確認できるようになる。
最初の段階ではこれは仮説でした。確かに理屈はそうだけれど、だからといって他の人にもうまくいくものなのかどうか。
そして実際にやってもらい、実感してもらうことで、仮説は揺るがぬ確信となりました。実証されたと言うことです。
おぼえている手帳を使いさえすれば、認知症の人でも記憶を持つことができるのです。それが生き生きとしたご本人の生活の実感になるのです。 「おぼえている手帳」はまだ始まったばかりですが、これを一人でも多くの全国の認知症の方やご家族の方に届けることで、自らが連続した時間のなかでいきているという実感を感じてほしいと思っています。