1年に何冊も使っていただければと考えています
「おぼえている手帳」は、手帳と名は付いているものの、予定を書くものではありません。
どちらかといえば、日記帳に近いものです。
それも、毎日書くというよりは、気がついたとき、変化があったときにおぼえがきみたいに書く。そういう性格のものです。
最近で言えば、近所の桜が咲いたとか、そういうことでしょうか。
また新しい服を買ってそれが気に入っているとか、友達と久しぶりにあったとかそういうことを書いていただければと思います。
大切なのが写真です。
そのときの写真、たとえば近所の桜の前のご自分とか、久しぶりにあった友達との2ショットとか、新しい服を着ているご自分など。
これらの写真を回りのかたに撮っていただき、文章とともに保管する。
これをときどきでいいからやって欲しいのです。
だから、「おぼえている手帳」は1年で1冊と決まっていません。そもそも日付は入っておらず、ご自分で書くものです。
気がついたとき、変化があったときになにか書いていただければと思います。
そのつみかさねがご自身の生きた歴史になるはずです。
また、見直したときに、ご自身もおぼえていない事柄でも、実感ができると思います。
これは、記録があればこそです。写真と直筆の記録が、認知症であっても、連続した時間の中を生きている証となるのです。